11/25、26

起きたら朝の4時前だった。泥のように眠ったら、今までの頭痛や気だるさ、自分の奥にあったぐちゃぐちゃとした何かさえなくなった気がする。とてもスッキリとして体調が良い。

 

12時間1度も覚醒する事がなく眠っていたようで、昨日の夕方から記憶が無い。

 

昨日大学で体がフラフラになってしまったので5現を切り、さすがにご飯を食べなくてはと思い大戸屋で胃に消化の良さそうな定食を食べたところまでは覚えている。帰ったと同時に布団に飛び込んだので服はオシャレ着のままだったし、風呂にも入っていなかったので髪が少しベタついていた。

 

大戸屋のご飯は健康的で好きだ。ちょっとお値段は張るが、自分が「このままでは良くない」と思った時はいつも大戸屋でご飯を食べる。玄米と、味噌汁と、主菜と副菜。一汁三菜とはよく言ったもので、これらを食べると充実した気持ちになる。

 

ご飯や味噌汁におかずを付けて食べるという食事、一人暮らしになってから全然していなかったなぁ。これらを作ってくれていたお母さんは本当に偉大だったと思う。特に私の家庭はあまり仲が良くなくて、ご飯もあまり集まって食べなかったし、食事中は無言だし。そんな中で365日ちゃんと一汁三菜を作り続けていたお母さんはどんな気持ちだったのだろうか。そんなことを思ったら泣きそうになった。

母は家で唯一の自分の味方だった。きっと自分が家から出てから、かなり孤独な日々を送っているのだと思う。もし母が死んだら一生後悔するだろうから、今度ちゃんとありがとうと言おうと思った。

 

お風呂から上がって部屋を見渡すと空のお茶ペットボトルが散乱していて、ここ2週間の廃れた自分を映したようだった。部屋を片付けて掃除機を掛けて、雑巾で水拭きをして、空気のリセッシュを振りまいたら生まれ変わった気持ちになった。環境は人間を変えるのだ。人間が変わると環境も変わるのだ。また掃除を欠かさない母の顔を思い出した。

 

スッキリとしていて、やることも無かったので早めに着替えて5時過ぎの電車に乗ろうと駅に向かったが、電車が30分後だったので散歩をした。

寒空の朝の空気、雨上がりの濡れたアスファルトの匂いは本当に気持ちが良かった。まだ外は真っ暗だけれど体は寝起きでピンピンしていて、中学高校の部活の大会の朝や、楽しいイベントの日の朝の事を思い出した。

こんないい気持ちで朝を迎えられるのが本当に久しぶりで、こんな気持ちになれるのになぜこの2週間あんなに絶望的な気持ちだったのかわからなくなった。

 

朝の電車はガラガラで、いつもの満員電車、いつもの日常が嘘のようだった。こんな早い電車に乗ったのは初めてかもしれない。乗員みんな眠そうではあるが誰もせかせかとしていなくて、彼らにはどんな人生があってどんな思想をもって、どんな事情でこんな朝早くの電車に乗っているのか気になった。自分とは違う世界で生きている人達という感じがして、私もそちら側の世界を味わえていることが何か嬉しかった。

 

今、品川の方に向かっている。なんとなく海が見たいのだ。海を見ながら強い煙草を吸ってみたいと何となく思ったのだ。世の中の動機なんてほとんどが何となくなのだ。

運転免許を取りに来た時に品川に行ったとき、東京でも海が見れるんだなぁ、いつかゆっくり散歩をしながら日が昇るのをみたいなぁ、と思っていて、それを実行できると思うとワクワクする。電車の中は暖かいけど、きっと海沿いは寒い。もっと厚着をしてくれば良かった。

 

こんなくだらないことで悩めて幸せだと思う。昨日まで「幸せとはなにか、死とはなにか」について悩んでいたのだから…

胃はまだ本調子じゃないけれど、自分は何とかやれている。ここ2週間の私は頑張ったと思う。そのお陰で11/26の朝を味わえているから。とても臭い言葉だけれど本当にそう思った。

 

駅に着いたのでハイライトを買って、海の方へ歩こうと思う。寒すぎて手が動かないので今日の日記はここまでにしよう。

駅からでも微かに分かる東京らしいドブの臭いと磯の匂いが絶妙に良い。こんな匂いに良さを感じてしまう私は田舎者なのだろうが、それでもこの匂いに良さを感じられる人間でよかった。

 

ご心配おかけしました。心配して下さって、いつもこの日記を読んで下さってありがとうございます。

 

でんぱ組.inc / あした地球がこなごなになっても