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友達の家に泊まって、そのまま大学に行って哲学のテストを受けた。ほとんど記述問題だったので明言は出来ないが、多分9割以上は取れたと思う。一安心。

友人達はあれほど勉強を教えたのに「爆死」したらしい。「爆」も何もないだろう…ただの死である。一夜漬けで論述に挑もうとする時点でダメなのだ。そもそも哲学は単語を覚えたくらいで解けるものじゃなくて、理解を深めて自分の中で思想を整理していかないと。

 

元々勉強は真面目にやる方だし哲学は大好きな科目なので自信はあったが、やはり先輩が居てくれたのがとても大きかった。先輩と会う為に出席を取らない授業に毎週欠かさず出席していた節はあるし、先輩と話をする為に授業を真面目に聞いていた節はある。こういう単純な原動力で物事に取り組んだのはいつ以来だろうか。いつのまにか私は何をするにもどこか打算的で、数手先の利益を見越そうとして行動するようになっていた気がする。ただただその場の「先輩と仲良くなりたい」的な気持ちで勉強などをして、結果的に良い点数が取れたのなら、これはとても素敵な事だと思った。自分で言うのは恥ずかしい事なのだが…

哲学の授業が無くなったら明確に会える機会も口実も無くなってしまう。お付き合いしたいかどうかはなんとも言い難いけれど、人として好意を持っているのでそう思うと悲しい。

そう思って明日漫画を借りる事にした。物の貸し借りは理由が無いと会う機会を作れないタイプの人間にとって都合がいい。やっと好意のある人と仲良くするテクニックを身に付けられてきた気がする。

少しずつピュアな心を取り戻そう…

 

眉村ちあき / ピュア